HAPPY THE MAN
Format CD
Label Number Chapter One CO 25202
Date

1967.11.?? From An Acetate (01)
1970.02.22 BBC Night Ride (02,03,04,05,06)
1972 Studio Recordings (07,08)
1973 Studio Recordings (09)
1975.04.15 Empire Pool, Wembley, London, UK (10)

Venue Various Place
Recording Sound Board Recordings
Member Tony Banks : Keyboards, 12 strings Guitar, Backing Vocal
Mike Rutherford : Bass,12 strings Guitar, Backing Vocal
Peter Gabriel : Vocal, Flute,Tambourine
Anthony Phillips : Guitars, 12 strings Guitar, Backing Vocal
John Mayhew : Drums, Percussions

Steve Hackett : Guitars 12 strings Guitar (07,08,10)
Phil Collins : Drums, Backing Vocal (07,08,09,10)
Songs

01.Mary Mary
02.Let Us Now Make Love
03.Pacidy
04.Stagnation
05.The Shepherd
06.Looking For Someone
07.Happy The Man
08.Twilight Alehouse
09.Silver Song
10.Evil Jam (Part Two)

Comments

01 From An Acetate Nov1967
02,03,04,05,06 1970.02.22 Studio4, Maida Vale, London, UK BBC "Night Ride" Session Recorded
07 1972 Studio Recordings
08 1972 Studio Recordings
09 1973 Intendede As Phil Collins'Solo Debut,Never Released
10 1975.04.15.Empire Pool, Wembley, London, UK

…というわけで、GENESISの未発表曲や初期のアルバム未収録曲を集めたCD。特に01は1967年という内容だけあって、このCDが出た当時はかなり話題になったのですが、結論から言うとこの曲はGENESISではありません。下記に詳細は記載しているので、「この音源は誰だ〜〜?」が気になる方は参照ください。話は戻って、他のCDでは発表済みの08はシングル「I Know What I Like」B面の盤起こし。そのためスクラッチノイズが耳につく。他の盤ではライブ音源が多いのでStudioバージョンが聴けるのは貴重かもしれない。余談だが、このSingle VersionのイントロにはS.Hackettの「ひゃひゃひゃひゃ〜ん」というイントロは収録されていない。そもそもイントロカットされてるし。後にオフィシャル盤『Archive #1 1967 - 1975』に収録されるが、それ以降はS.Hackettのこのフレーズがミックスされている。10は「Carpet Crawl」のB面で発表された「Evil Jam / Waiting Room」となっているが、そのテイクは1975.01.24 Shrine Auditorium Los Angeles CA USAのものなので、これは別音源。しかもタイトル表記にある(Part Two)の意味がわからない(笑)。Part 1はどこ行った? なんだかんだ言いながら数多くの未発表音源を楽しめるので発売当時は狂喜したものだ。話題となったP.Collinsのソロシングル用(未発売)に録音されたという09。音は悪い。この曲は脱退したJohn Silverのことを歌った内容らしい。同じGENESISのドラマーがその歌を歌うというのがこれまた何かのご縁だろうか。で、この曲は2008年に再発されたA.Phillipsの『The Geese & The Ghost』のリマスター盤にボーナストラックとして収録された。ジャケットは写真家アマンド・ギャロのGENESIS写真集『I Know What I like』の表紙より。もちろん『Trespass』~『Foxtrot』のジャケットを手がけたアーティストPaul Whiteheadである。02,03,05および07,08は『Archive #1 1967 - 1975』に収録された。ただし、ここでの07は、イントロにコーラスのないイタリア盤ミックスバージョンとなっている。


「Mary,Mary」という曲について。
 Bootleg CD 『Happy The Man』は1992年に欧州より輸入され店頭に出回りました。そのトラック1が「Mary,Mary」。この曲はヴォーカルがPeter Gabrielに似ていて(特に歌い出しの「ヘイ!メェリィ、メェリィ!」というところなんか、そっくり。)、さらにfrom acetate.Nov.1967なんてCDに明記されたもんだから、個人的に「初期の音源なら、声が若くて当然だ!」とGENESISもしくはその前身バンドだと、ずっと信じてました。

 この音源自体の存在もファンの間では、初期に録音された3rdデモ録音の一部とされていたこともありました。その真意を問いたかったのですが、ネットの台頭であっと言う間に結論に達してしまいます。「あれはアメリカのGENESISというバンドの曲だ」と。 ところが、このアメリカのGENESIS。『In the Beginning』というアルバムから「Mary,Mary」という曲をシングルカットしていたのですが、これがまったく同名異曲。さて、では「Mary,Mary」は一体どこへ?そんな中、この音源の元となったアセテート盤が海外のオークションに出品されました。そして、この落札者が、偶然にも日本人で、しかも私の友人。お借りしたのが、下段の画像です。海外からの送り状にも、事細かにデモは3回、録音され、それぞれどんな曲名だったかも明記されていました。そして、間違いなく、このアセテート盤からbootleg『Happy The Man』に音が使われたことも。 ※Special Tahnks to Mr.H.Inoue.

 UKでは、The BeatlesからBob Dylan、さらにはPink Floyd、Queenの前身Smileなどなどにもお馴染みのEmi Disc。これを見て、同時期(67年)にもう一つのGENESISの前身バンドAnon(M.Rutherford、A.Phillips在籍)が録音していたものも元はEmi Discのアセテート盤であることを確認(2011年11月にドイツのファン・クラブ“it”からAnonの音源が突如、発表される)。

 明らかにこのアセテート盤を作ったバンドがUKのバンドであることは間違いなくなったのですが。であれば、もう一つの前身バンドGarden Wall(P.GabrielとT.Banks在籍)ではないか!?改めて聴いてみると、今度はキーボードのT.Banksの音がない!?(あんれ〜?)というわけで、あっさりこの線も薄くなっていく。現在、このトラックはThe Gypsy Flower Pedalsというヒット作のないバンドの「My Love」という曲という結論に達しています。ただし、このバンド自体の素性がはっきりしたわけではなく、このアセテート盤がどこから流れでたものかもわからない。「あれは違うよ!」と一言で片付けるのは簡単ですが、こうやって悶々と謎の音源に振り回されるのも楽しいものです。一応、初めて聴いて20年。ここまで振り回されてみました。

 では「なぜ、このアセテート盤には、Mary,Maryと印刷されているのか?」。実は、曲を聴いた人物がGENESISのP.Gabrielの声に似ていたので、GENESISのLP『In the Beginning』の曲目の「Mary Mary」を見つけ「歌い出しも一緒だし!これだ!」と思ってしまったらしい。そう、その人物が見ていたのはアメリカのGENESISのLPだったのである。なぜ、その時、LPをちゃんと聴かなかった?と言いたい。

 一方で、同じGENESISで『From Genesis To Revelation』と『In the Beginning』のタイトルも似ていたという指摘もある。そんな中途半端な思い違いや、「Nov.1967」という記述、さらには『Archive#1』発売前まで、情報が明確でなかった初期音源へのファンの思いが、この曲を「大きな謎」にしたてあげたのも事実。今回の結論。今さらながらですが、「Mary,MaryはGENESIS、もしくは前身バンドの曲じゃありませんよ!」でした。

Mary Maryのアセテート盤 2011年11月に発売された1曲のみの収録CD。
『Anon / Pensylvania Flickhouse』
Anonのアセテート盤

 

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