Wind & Wuthering

(邦題・静寂の嵐)


Charisma CAS 1074 Ex Libris ‎– PH 6859 309
Austriaのファンクラブ用ジャケット
SIDE-1
ELEVENTH EARL OF MAR 
(Rutherford, Hackett, Banks)
ONE FOR THE VINE
(Banks)
YOUR OWN SPECIAL WAY
(Rutherford)
WOT GORILLA?
(Collins, Banks)  

SIDE-2
ALL IN A MOUSE'S NIGHT
(Banks)
BLOOD ON THE ROOFTOPS
(Collins, Hackett)
UNQUIET SLUMBERS FOR THE SLEEPERS...
(Rutherford, Hackett)
...IN THAT QUIET EARTH
(Rutherford, Collins, Hackett, Banks)
AFTERGLOW
(Banks)

A面
イレブンス・アール・オブ・マー 

ワン・フォー・ザ・ヴァイン 

ユアー・オウン・スペシャル・ウェイ 

ウォット・ゴリラ? 


B面
マウシズ・ナイト 

ブラッド・オン・ザ・ルーフトップス

まどろみ 

静寂 

アフターグロウ


発売年とか録音データとか。
RELEASED JANUARY 1977 
PRODUCED BY DAVID HENTSCHEL/GENESIS 
ENGINEERED BY DAVID HENTSCHEL 
ASSISTANT ENGINEERED BY PIERRE GEOFFROY CHATEAU(HOLLAND), NICK BRADFORD(LONDON) 
SLEEVE DESIGN BY HIPGNOSIS, ARTWORK BY COLIN ELGIE
RECORDED AT RELIGHT STUDIOS, HIVARENBEEK, HOLLAND SEPTEMBER 1976 
AND MIXED AT TRIDENT STUDIOS, LONDON OCTOBER 1976
演奏者とか使用楽器とか
TONY BANKS/STEINWAY GRAND PIANO, ARP 2600 AND PRO-SOLOIST SYNTHESIZERS, HAMMOND ORGAN, MELLOTRON, ROLAND STRING SYNTHESIZER,FENDER RHODES PIANO,ETC
MIKE RUTHERFORD/BASS GUITAR, 4-, 6-, 8-STRINGS ELECTRIC GUITARS, 12-STRINGS, ACOUSTIC GUITAR, BASS PEDALS 
PHIL COLLINS/LEAD VOCALS, DRUMS, CYMBALS, PERCUSSION 
STEVE HACKETT/LEAD GUITARS, NYLON CLASSICAL GUITAR, 12-STRINGS, KALIMBA, AUTO HARP
中島の大絶賛コメントコーナー!
1976年の暮れ。9月まで続いた前作のツアーも終わり、GENESISは新たなアルバムの制作に入った。前作はPeter gabriel脱退ということもあり、メンバー全員で楽曲アレンジに取り組んでいたようだが、本作のメインコンポーザーは均等に担当しているようだ。それでも前作以上にTony Banksの作曲面での貢献が強く、キーボードのオーケストレーションを生かした「One For The Vine」などは本領発揮といった感じだ。前作に比べ、大きく変わった点はキーボードの使い方だろう。あまりの派手なアンサンブルに、ギターの存在が薄く思われるが、良く聴くとSteve Hackettも良い仕事をしている。ソロ・アルバムを発表したSteve Hackettは曲のネタが断片的な物しかなかったというが、「Wot Gorilla」の没素材の中には、後に自身のソロ・アルバムで使用されるフレーズがあったと証言している。その曲は「Please Don't Touch」だそうだ。Steve HackettのNylon Guitarが郷愁を描く「Blood On A Rooftops」は、もっとこの路線を聴いてみたいと思わせる曲調である。また、こういった曲にPhil Collinsの声はとてもよく合う。
シングルカットされたのはMike Rutherford作曲の「Your Own Special Way」。単調そうに見えて、変則チューニングで演奏されている(そのままでも弾けるんだけどね、とはバンドメンバーの意見)。ライヴでも披露されたが、ステージ映えしない曲である。1986年のInvisible Touchのツアーでストリング・カルテットと共演をし、この曲が再演された。そのヴァージョンはとてつもなく美しい。

GENESIS版トムとジェリー「All In A Mouse's Night」はリズムのアプローチが面白い。こういった御伽話風の曲調もこのアルバム以降、少しずつ消えていく。ラストシーン、化け猫ならぬ巨大ネズミに怯える猫たちをSteve Ha"Cat"がギターで表現している。(ライヴではこんな紹介がされている)
「Blood On A Rooftops」が終わると、圧巻の組曲へ。邦題が素晴らしい「まどろみ」は、まさにそのものの曲調。さりげなくTonyもSteveも高速アルペジオを披露している。続けての組曲は文句なくカッコいい。そして、続けてライヴのハイライト曲となる「Afterglow」へ。Tony Banksによると、あっという間に出来上がってしまったと言われる曲だが、エンディングのメロトロン+コーラスのこれでもか!な大げさアプローチは後にさまざまなバンドに模倣されることとなる。

【備忘録】
シングルカットされた「Your Own Special Way」のカップリングは、前作のアウトテイク「It's Yourself」。曲の一部は「Los Endos」のイントロ部分に使用される。それまでブートレッグで出回っていた「Beloved Summer」というタイトルでは、ワンコーラス多いヴァージョンだったが、2008年に発売されたリマスターのボックスセットのボーナス・ディスク(ややこしい)に初めてフルコーラスが収録された。ただし、最後のフェイドアウト後に「チリ〜ン」と鈴の音が聴こえるのは、実は日本盤シングルのみである。「Your Own Special Way」の編集も、中間部分がないもの、2番から始まるものなど国ごとにバラバラなのが面白い。
センスの良いジャケット・デザインはヒプノシス・チームのイラストレーター:コリン・エルジーが担当。でも、ヒプノシスが担当したなら、この位、実写で出来たのに…と思ってしまうのは私だけだろうか。
上に並んでいるのは、オーストリアのファンクラブに向けて作られたオリジナル・ジャケット。ほとんどブートレッグである。

 

Side A
Your Own Special Way

Side B
It's Yourself

CHARISMA CB300
(February 1977)

イギリス盤。ペーパースリーブはない。Your Own Special Wayは各シングル編集がバラバラなのでそれだけでも面白い。B面は前作のアウトテイクス。
Side A
ユア・オウン・スペシャル・ウェイ

Side B
イッツ・ユアセルフ

日本フォノグラム SFL-2182
日本盤。B面は前作のアウトテイクス。日本盤のみちょっとだけフェイドアウトが長い。
Side A
Your Own Special Way

Side B
…In That Quiet Earth'

ATCO45-7076
アメリカ盤。B面はこんな演奏もするバンドなんだというメッセージか?

Side A
Your Own Special Way

Side B
It's Yourself

ポルトガル盤。Charisma ‎– 6073 393。ジャケットのデザインは一番美しい。
 
 
 
 


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